ノモス スウィングシステム

ノモス スウィングシステムは、ノモス グラスヒュッテの専有技術による脱進機で、精密な腕時計が時を刻むペースを決定する腕時計の心臓部です。ガンギ車、アンクル、テンワで構成され、巻き上げエネルギーを制御して完璧な振動に変換します。自社で脱進機を内製できる製造者は、世界でも数えるほどしかありません。

中心部の主役
極めて繊細なモジュールで、複数の部品はすべてわずか数ミリ。テンワに取り付けられるノモスの青焼きヒゲゼンマイの末端部のカーブは完璧に整った形状で、ガンギ車、アンクルには合成ルビーの爪石が付いています。
レバー脱進機
スプリングがいっぺんにほどけて腕時計の巻き上げエネルギーを一瞬で解放してしまうのではなく、完璧に測った量を少しずつ解放するよう徹底するには、アンクル爪石が必要です。エネルギーがガンギ車に到達すると同時にアンクル上の2つのルビーの爪石が交互に噛み合い、スプリングがほどけ続けるのを防ぐのです。

魔法のような瞬間:テンプ受けに支えられたノモス スウィングシステムがキャリバー内に組み込まれ、巻き上げエネルギーが供給されると、腕時計の心臓部がチクタクと鼓動を始めます。素早い動作のたびに、アンクルのアームの一方がガンギ車の歯と噛み合います。腕時計が時を刻む音は、時間の経過の集約と呼べるものですが、実際には脱進機が動作する音なのです。
大自然の贈り物:アンクルの爪石は、カイガラムシが分泌する樹脂状の排泄物、シェラックで固定します。原料から直径わずか0.21ミリの糸状のシェラックを取り、長さ0.83ミリという小量に分けていきます。
完璧なバランス
テンワを精密に製造したとしても、完全に均一な質量分布は細心の仕上げで初めて可能となります。テンワのバランスを検査し、不均衡を検知すれば微量の材料を取り除きます。なんと1グラムの100万分の1、マイクログラム単位の作業です。

テクノロジーの力:テンワのバランス検査は、空気流の中で行います。不均衡の部分をマークし、センサーとレーザーで自動的に掻き落とします。
理想の一組
テンワは一つひとつ違います。刻んだ溝の数も違えば、重量も違います。それはヒゲゼンマイも同様です。同じものは2つとありません。その中でどれが理想の組み合わせかを判断することが重要です。テンワの質量トルクは、スプリングの締付力にマッチしなければなりません。そこで、相手を見つけるために各コンポーネントを測定し、それぞれの特性に従って40等級に分類し、同じ等級に属するもの同士を組み合わせるのです。
異議があれば今すぐ申し立てよ、さもなければ永遠に沈黙せよ:ヒゲゼンマイをテンワに装着した後は、本当に真円かつ平らに動作するかどうかをもう一度検査して確認します。こうして初めて、その組み合わせがノモス スウィングシステムになるのです。