DUW緩急装置は、ノモス グラスヒュッテが開発した、緩急微調整システムで、微調整ネジが不要です。Deutsche Uhrenwerke NOMOS Glashütteの超薄型キャリバーの特別な機能に合わせて最適化したものです。

機械式キャリバーの調整が必要な理由は?

機械式キャリバーのヒゲゼンマイは、一定の範囲で遅れや進みを調整できるように設計されているため、キャリバーには適切な時刻系に従って歩度を微調整できる機能が必要です。そこで時計師たちは、常に調整のオプションをキャリバー内に組み込み、歩度の微調整を可能にしてきたのです。

機械式キャリバーの調整が必要な理由は?

機械式キャリバーの調整方法は、基本的に2種類です:ヒゲゼンマイの有効長をヒゲ棒と緩急針で調整する方法、そしてテンプの慣性モーメントに、例えばテンワに付いた補正ネジで影響を与える方法です。ヒゲゼンマイの有効長が短く、テンワの振動が速くなるほど、腕時計の進み方も速くなります。

ノモスの腕時計に使用される緩急微調整システムは?

ノモスのラムダとラックスに搭載するアトリエキャリバー、DUW 1001およびDUW 2002には、スワンネック緩急微調整装置を使用しています。その他のムーブメントには、トリオビス緩急微調整装置を使用しますが、自社製のDUW緩急装置を使用する機会が増え続けています。

スワンネック緩急微調整装置の仕組みは?
緩急針を取り囲むように曲がったスチールのバネで、緩急針そのものに圧力をかけており、極めて微妙な変更が微調整ネジで可能です。
トリオビス緩急微調整装置の機能の特徴は?
このシステムでは、微細なねじ山を刻んだ微調整ネジが緩急針のディスク外縁の歯とかみ合い、そのネジを回して高精度の微調整が可能です。
DUW緩急装置とは?
ノモス グラスヒュッテのDUW緩急装置には微調整ネジが不要で、ヒゲゼンマイの調整も2種類のオプションが可能です。このシステムでは、緩急装置とヒゲ持ち受けをテンプ受け上のリングに取り付け、ヒゲ棒は緩急装置に装着します。ヒゲ棒は2本の小さなピンで、その間のわずかなすき間にヒゲゼンマイを通してあります。ヒゲ持ち受けは、その名の通りヒゲゼンマイの末端に付けたヒゲ持ちを支えます。リング上に取り付けた緩急装置とヒゲ持ち受けをヒゲゼンマイ用プライヤーで調整し、ヒゲゼンマイの動きを速めたり遅くしたりすることができます。さらにヒゲ棒とヒゲ持ちはいずれも、それぞれの軸上で調整が可能です。
つまり、ヒゲ棒を通るヒゲゼンマイの運動範囲が変わり、ヒゲゼンマイは中心に位置することができるのです。

ノモスが自社で緩急装置を開発した理由は?

トリオビス緩急微調整装置は微調整ネジが主体のため、腕時計職人が外部からドライバーで調整するしか方法がありません。ノモスのムーブメントは非常に薄型(手巻きアルファキャリバーの厚みはわずか2.6ミリ、DUW 3001自動巻きキャリバーでもわずか3.2ミリ)のため、微調整で簡単にテンプにダメージを与えかねません。そこで、DUW緩急装置は上部から快適に安全に調整できる設計になっています。