なぜこのクラシックな腕時計をリニューアルしたのでしょうか?
真のクラシック製品に変化は必要ありません。しかし、変化がプラスに作用するのであれば、やるに値します。私はそこから何か得るものがあると考えています。タンジェント・アップデートの焦点は、新しいキャリバーです。そして、このキャリバーこそが文字盤デザインのリニューアルを可能にした最初の部分なのです。
タンジェントに加えられた変化は何ですか?
私にとってノモスの腕時計のコアとなる特徴であり、ノモスを特別な存在にしているのは、デザインと機構の両立です。2つの要素は相互に繋がっており、切り離して考えることはできません。新しい円形の日付ディスプレイは、文字盤の後ろにあるキャリバーの動作を見せています。そして、赤色によりタンジェントの特性が強調されています。
技術的な観点から見ても、この時計は傑作です。デザイン面で苦労した点はありますか?
タンジェントを担当することは特別なことであり、挑戦でもありました。これはただの腕時計ではないからです。この腕時計を変える必要などないのでは?そして、変えるとしたらどのように?様々な点をリニューアルしたいという願望と、この腕時計に対する深い敬意との板挟みでした。本当に苦労しました。文字盤の周りに日付を配置するという考えは、すでに数年前からあったものでした。ただそれを実行するに至らなかったのです。当然ながら、この新たな、より大きなノモスキャリバーは、このアイデアにうってつけでした。日付リングは、文字盤の外側にあるため、オリジナルのタンジェントデザインを変えずに済むことができました。また、タンジェントの文字盤の周囲に日付を追加することも可能になりました。そのため、このクラシックウォッチのリニューアルでは、オリジナルの良さを失うことなく、そのサイズと機能性の両方が単純に拡大されることになりました。これこそリニューアルと呼べるものです!
満足されているようですね。
はい、大変満足しています。まず、グラスヒュッテの設計エンジニアと時計職人に設計案を気に入ってもらえたことが光栄です。彼らが作り上げたものの意味を、私が理解していたことが伝わったのだと思います。
この時計をご自身でも身に着ける予定ですか?
残念ながらそれはありません。この時計は直径40.5ミリもの、本当に見事なサイズです。大きさとバランスは見事なのですが、悲しいことに、私の細い手首には似あわないのです。いずれにせよ、これは私だけに限ったことではありません。初めて街中でタンジェント・アップデートを身に着けている人を見かけるのを楽しみにしています。このタンジェントの新バージョンは、幅広い層のお客様が日常的に使用するのに最適です。
マイケル・ポールは、1974年にドイツ・ブラウンシュヴァイクで生まれ、ハレにあるブルグ・ギービチェンシュタイン・アート・カレッジで学びました。彼はまた、チューリッヒ芸術大学とベルリン芸術大学の両大学で学び、その優れた作品により「マイスターシューラー」(修士課程)の称号を授与されました。アーティストかつグラフィックデザイナーとして、現在はベルリンに住み、10年以上にわたってノモス・グラスヒュッテで活躍しています。他のプロジェクトの中でも特に成功を収めたSuper30シリーズも担当していました。