なぜノモスの時計には「Made in Germany」と記されたものと、「Germany」とだけ記されたものがあるのですか?
「Made in Germany」の表記は、2003年の途中から使用され始めました。その後、製造部門を再編成し、自社製ムーブメントの製造を開始した2005年4月から、ダイヤル上の表記を「Germany」に改めました。しかし、耳への響きがより良いという理由から、しばらくしてこの小さな表記は「Made in Germany」に戻されました。
ノモスの時計はどのように調整されていますか?
緩急微調整装置(これを提供しているメーカーはごく僅かです)が、可能な限り最高の精度を約束します。ノモス グラスヒュッテから出荷される前に、すべての時計は厳しい検査を受けます。ノモスの品質管理担当者が、数日かけて時計を6つの姿勢で検査し、どの姿勢でも正常に動作することを確認します。ノモス グラスヒュッテは3つの異なる制御装置を使用しています。 トリオビス緩急微調整装置、ノモス・スウィングシステムによるDUW調整、 ゴールドモデルのラックスとラムダで使用されているスワンネック緩急微調整です。
ノモス・スウィングシステムとは何ですか?
脱進機、アソルティマン、レギュレーターなどとも呼ばれるスウィングシステムは、機械式時計の心臓部であり、バランス、ヒゲゼンマイ、ガンギ車、アンクルなどから成る部品です。テンポを司り、時計が正確に時を刻めるようにするものです。当社独自のスウィングシステムを製造できるようになったことは、ノモス グラスヒュッテにとっては独立宣言であり、同時に高い時計製作スキルを証明したのです。
ノモス スウィングシステムはすべてのノモスモデルに搭載されているのですか?
将来的にはそうなります。ノモス スィングシステムは徐々にすべてのモデルに搭載されていきます。
ノモス スウィングシステムをあとから私の時計に搭載することはできますか?
ニヴァロックス製脱進機は、かつてノモスのすべてのウォッチに搭載されていたもので、今日も使用しているモデルがいくつかあり、極めて高品質で、卓越した正確さを提供するものです。そのため、この脱進機を新たにノモス・スウィングシステムに置き換えるサービスは提供しておりません。これは、メンテナンスにおいても同様です。
どれくらい精度が高いのでしょうか?
精度に関する限り、機械式腕時計はいずれの種類(手巻きと自動巻き)にも多少の許容誤差が常にあります。例えばこれは、腕時計の着け方によっても異なります。気温や気圧の差、ちょっとしたショックや不規則な巻き上げなども影響することがあります
一般的に、ノモスグラスヒュッテの機械式時計は、1日あたり10秒未満の偏差を示します。この精度を確保するため、ノモスの機械式キャリバーには7日間にわたる6姿勢調整を行います。ノモス グラスヒュッテの腕時計は、文字盤とリュウズが全方向を向く姿勢で最高の精度を達成しなければならないのです。
アレルギーに関して: ノモスではニッケルフリーステンレススチールを採用していますか?他にはどのような素材を使っていますか?
"ニッケル規制"と呼ばれる規制は、2000年6月に制定されました。これは、皮膚に直接かつ長時間接する製品において、1週間あたりのニッケル溶出量が0.5㎍/㎤を超えてはならないとするものです。通例では、合金に含まれるニッケル割合をではなく、どれだけのニッケルが皮膚に溶出するかを重要視しています。
ノモスでは、ステンレススチール 316Lをすべてのケースおよびバックルに使用しています。このステンレススチールはニッケルフリーではありませんが、ニッケルを皮膚に溶出することがありません。この合金に含まれるニッケルは、全質量の約12%です。皮膚へのニッケル溶出量は1週間あたり0.2㎍/㎠以下であり、医学的な許容量を遥かに下回っています。ニッケル含有量がより低いステンレススチールもありますが、皮膚へのニッケル溶出量の少なさという点ではステンレススチール 316Lが最も優れています。
どのような規制を設けても対応できないアレルギーがあることも確かですが、ノモスが採用する素材に耐えられないというケースは極めて稀です。残念ながら、すべてのアレルギー反応を排除することは不可能ですので、非常に敏感な方は、医師との相談の上、アレルギー反応をほぼ確実に引き起こさない素材を選ばれることをお勧めします。
ノモスは常にすべてのお客様にとって最良の素材を使用することを目指しています。これはステンレスチールのみにあてはまることではありません。例えばストラップも、植物タンニンのみを使用して丁寧になめされたものを採用しています。
時計を着けたまま水泳やシャワーが可能ですか?
特に防水性に優れた時計にはその機能がケースバックに記されています。お持ちのノモスウォッチの裏側に「30 ATM」または「20 ATM」の表示がある場合は、DIN規格によれば着用したままダイビングが可能です。「10ATM」の場合、水泳とシュノーケリングが可能であり、「5 ATM」は時計をつけたままシャワーを利用できることを意味します。とくに防水表記がないノモスの腕時計は3気圧に耐えることができますが、通常は乾燥した状態で使用することが望まれます。腕時計を付けたまま手を洗っても問題はありませんが、プールに入る際は、腕時計を外してください。機械式腕時計はお買上げの販売店などで1年に1回程度防水機能の点検をしてもらうことをお勧めします。それほど時間はかからないはずです。
注意:アホイ、タンジェント・スポーツ、クラブ・スポーツはネジ込み式のリュウズを使用しています。使用後には、腕時計の防水性を維持するため、必ずリュウズを元の位置までねじ込んで締めてください。ねじ込むには、リュウズを静かに所定の位置に押し下げ、明らかにきつくなるまで時計回りに回します。水中ではリュウズを絶対に回転させないでください。
どのように、どれくらいの頻度で、いつ時計のぜんまいを巻き上げればよいですか?
ノモスの自動巻きであれば、腕の動きの力で自然に巻かれるのでそれほど巻くことはありません。自動巻きムーブメントのスプリングは、どのような腕の動きにでも対応して巻き上げます。
手巻きの時計の場合は、定期的に巻き上げることをお勧めします。一番良いのは毎朝巻くことです。それによって、どのような試練や苦難があっても一日中十分な力で動くことができるのです。
親指と人差し指を使って時計回り方向にリュウズを回して巻き上げます。抵抗を感じてそれ以上リュウズが回らなくなれば巻き上げ完了です。一度完全に巻き上げれば、43時間のパワーリザーブを持つノモスの時計は再び巻かなくても2日間は動き続けます。日付表示付きの場合は若干短くなり、42時間のパワーリザーブですが、これは日付が変わるときにぜんまいの力を消費するためです。
ノモスの自動巻き時計をいつも手で巻いていたら、時計に損傷を与えてしまいますか?
与えません。ノモスの自動巻き時計には、手で巻き上げを行う際に全てのムーブメントパーツが停止するクラッチ機構が組み込まれています(手巻きの際に抵抗を感じないのはこれが理由です)。新しい極薄の自動巻きムーブメントDUW3001とDUW 6001の仕組みは少し異なります。巻き上げる際、リュウズの抵抗が強くなっていくことにすぐ気づくはずです。これは、腕時計に十分なエネルギーが与えられたことを意味します。全巻きの状態になるとローターが停止することで、キャリバーの摩耗を防止します。どちらにせよ、ノモスの自動巻き時計は安心して手で巻き上げ可能です。しかし、自動巻き機構がこの作業をあなたにかわって自動的に行ってくれるのです。
ノモスの時計の日付設定はどのように行いますか?
a)キャリバーDUW 4401、DUW 4101、DUW 5101、およびZeta
以下の手順で設定してください。リュウズを引き出し、日付表示が一度変わるまで針を進めていきます。(ねじ込み式のリュウズを使用したモデルでは、このためにリュウズを緩める必要があります。)それから3~4時間ほど軽いクリック音が聞こえるまで針を逆に戻します。そして再び3時間ほど針を進める度に、また日付表示が変わります。この動作を、希望する日付表示になるまで繰り返してください。時計の時間を設定する際は、その時間が正午の前であるか後であるかを意識しながら実行してください。日付が変更するのは正午ではありません。ねじ込み式のリュウズを使用しているモデルでは、腕時計の防水性を維持するため、必ずリュウズのネジを元の位置まで締めてください。
少し複雑に思えるかもしれませんが、実際にはきわめてシンプルな操作です。一度やってみれば、すぐに把握できるはずです。時計を購入したときに付属している保証書にもこの操作は詳しく説明されています。
b) ノモス・ネオマティック・キャリバーDUW 6101
このネオマティック・キャリバーが搭載された腕時計は、より素早い時間設定が可能です。リュウズを一段だけ少し引っ張ると、日付を前後に簡単に設定できます。クラウンを半回転させると1日移動することができます。(ねじ込み式のリュウズを使用したモデルでは、このためにリュウズを緩める必要があります。)さらに、DUW 6101には日付を変更するための時間帯が非常に小さく設定されており、その間は手動で日付を変更でません。午後11時15分から午前0時45分に日付をセットすることを避けるようにしてください。ただし、誤って設定してしまった場合も心配は要りません。DUW 6101は、これが腕時計のメカニズムにダメージを与えないように設計されています。ただし、2日間の間で切り替え中に日付が止まってしまった場合は、リュウズを最後まで引き上げて、午前1時直後に時刻を設定し直すか、夜の11時に戻してください。これによって日付表示が元の位置に戻ります。このキャリバーの時計の時間を設定する際は、リュウズを3番目の位置まで可能な限り引き出してください。ねじ込み式のリュウズを使用しているモデルでは、忘れずにリュウズのネジを元の位置まで締めてください。
スチールの時計にもサファイヤクリスタルケースを取り付けられますか?
テトラ27を除き、基本的に弊社の全ての腕時計では、ケースの裏面をサファイアクリスタルガラスと交換可能です。ご希望の際は、お問い合わせくだされば、こちらからご提案いたします。
ウォッチワインダーを持っています。ノモスの時計に最適なセッティングはどのようなものですか?
最適な設定は、回転数1日650、両方向回転です。
時計が磁気帯びしてしまった場合、どうなるのですか?
私たちの日常の生活環境には多くの磁場が存在しています。例えば、電子機器や電子コンロのそばなど、電気が通っているところの全てが当てはまります。残念ながら、磁場は機械式時計に対して悪影響を及ぼすことがあります。特に、キャリバーの脱進機を構成する部品の正常な動作を妨げます。多くの場合、この影響は急に時刻が進む現象によって気付くことができます。しかしながら、磁気帯びの影響で、時刻の遅れや作動停止が生じることもあります。
お使いの時計が帯磁してしまったのでは、とご心配の場合は、販売店に消磁器があるかどうかお尋ねください。必要に応じて消磁器を使用すれば、腕時計の磁気を簡単に取り除くことが可能です。また、実際に磁気帯びが確認された場合、消磁装置を用いてすぐに磁気抜きすることができます。もちろん、グラスヒュッテのノモス社へ直接送っていただくこともできます。ただし、磁気帯びは時計の欠陥ではありませんので、保証適用外となりますことをご了承ください。